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いま、ふるさとには、

トンボやドジョウがのんびりと棲めないところが多くなった

、やはり人間も住みづらくなっているということだ。

そのことをそのまま皮膚でナイフで切られた傷のように

感じる人は実に少ない。

折り合いの上手い理屈を考えるより、失った心の痛みを感じる方が

はるかに難しいこと

しかし、まだ

自然にも人間にもしたたかな、自浄作用や治癒能力が備わっているはずだ。

今こそ、手遅れになる前に喪失しがちなふるさと記憶と知識のすべてを記録収集し、

ふるさとと自分を深く見つめ直し、確かな未来の姿として、

ふるさとの遺産として残したい。 

 

ふるさと遺産研究

鹿 川 博 司 

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