ふるさと遺産なんてムダだ。インターネットで掲載しても誰も見るわけがない、もっと役に立つ情報を流せよと言われた。 さて、役に立つ情報とは何でしょうか。欲にからむものですか(物欲、愛欲、権力欲、知識欲、食欲)などでしょうか。私どもが目指す花巻物語事典は、花巻が花巻であることの自覚と存在証明を表すものです。市民の記憶と知識を集めた膨大な記録は、それ自体がすでにふるさと遺産であり宝物になりえます。市民のそれぞれが息づいた「花巻物語」は地域コミニケーションの核となり、いま全国に広がる孤独な無縁社会の、黒い影からふるさとを守る聖なる砦となる切り札として期待したい。